Intumit
INTUMITINTUMIT INC.
TPEx · 7547 · 上場企業

2025 · サステナビリティレポート

サステナビリティレポート 2025INTUMIT INC. · TPEx 7547

対話型AIと生成AI
企業のデジタル・サステナビリティ変革を推進

報告期間 2025.01.01 – 2025.12.31(2025年度) · 発行:Intumit Inc. · 発行日 2026年8月(初版)
作成基準 GRI共通スタンダード2021 · 台湾証券取引所コーポレート・ガバナンスセンター ESGデジタルプラットフォーム「サステナビリティレポート作成機能」 · 情報開示 mops.twse.com.tw

2025 ESG Highlights · サステナビリティ・ハイライト

AIが牽引するサステナビリティの成果

Intumitは「対話型AIと生成AIで企業のデジタル・サステナビリティ変革を推進する」を中核理念とし、2025年度の環境・社会・コーポレートガバナンスの三側面における具体的成果は以下のとおりです。

G
経済とガバナンスGovernance
3.52億
連結売上高(台湾ドル)
2.65元
1株当たり利益
10.67%
研究開発費比率
0件
情報セキュリティ/個人情報漏えい
9名
取締役会の員数
3名
独立取締役(33.3%)
1名
女性取締役(11.11%)
738千元
従業員給与の中央値
S
社会Social
135名
従業員総数
36.84%
管理職に占める女性比率
0件
労働災害
162,754千元
従業員福利厚生費
E
環境Environment
28.631
温室効果ガス総排出量(tCO₂e)
0.0813
排出原単位
-10%
2030年削減目標
2025年
削減目標の基準年
本レポートで開示する定量データは、当社が公開情報観測所(MOPS)の「企業ESG情報開示申告作業」に申告した指標、温室効果ガス・インベントリおよび連結財務諸表の三者と整合しています。

Contents · 目次

レポートの構成

本レポートは、台湾証券取引所コーポレート・ガバナンスセンターのESGデジタルプラットフォーム「サステナビリティレポート作成機能」が定める七章構成に基づき編集しています。

01
本レポートについて1-01 経営者メッセージ 1-02 会社概要 1-03 レポートの基本情報
02
サステナビリティ経営とコーポレート・ガバナンス2-01 サステナビリティ戦略とSDGs 2-02 ガバナンス体制 2-03 取締役会と機能別委員会 2-04 取締役の研修と実効性評価
03
ステークホルダーとマテリアリティ3-01 ステークホルダー・エンゲージメント 3-02 マテリアリティ特定プロセス 3-03 重要課題一覧 3-04 マネジメント方針
04
ガバナンス4-01 経済的パフォーマンス 4-02 税務 4-03 誠実な企業経営 4-04 苦情処理メカニズム 4-05 リスク管理 4-06 情報セキュリティとプライバシー 4-07 社団・団体 4-08 製品とサービス 4-09 サプライチェーン
05
社会5-01 人材育成 5-02 労働安全衛生 5-03 社会貢献
06
環境6-01 気候変動(TCFD) 6-02 温室効果ガス管理 6-03 エネルギー 6-04 水資源 6-05 廃棄物
07
付録7-01 GRI内容索引 7-02 気候関連情報 7-03 保証声明
01
CHAPTER 01

本レポートについて

1-01

経営者メッセージ

(GRI 2-22 持続可能な発展戦略に関する声明に対応)
会長 黎少倫
Chairman · 会長
黎少倫
副会長兼社長 邱仁鈿
President · 副会長兼社長
邱仁鈿

2025年は、Intumitにとって新たなマイルストーンとなる一年でした。当社は2025年7月29日に台湾店頭市場(TPEx)へ正式に上場し、生成AI(Generative AI)の潮流のなかで、生成AIアプリケーション管理プラットフォーム「GenAI Admin Portal」を中核として、700社を超える法人のお客様のスマート化とデジタル・サステナビリティ変革を支援してまいりました。通期の連結売上高は新台湾ドル3.52億元(前年比5.7%増)、税引後純利益は8,170万元、1株当たり利益は2.65元、売上総利益率は54.45%へ向上し、業績と収益力がともに伸長しました。

独立系ソフトウェアベンダー(ISV)として、企業の長期的価値は財務パフォーマンスのみならず、環境(E)・社会(S)・コーポレートガバナンス(G)への総合的なコミットメントから生まれると認識しています。当社はデジタル・クラウドサービス業に属し、事業活動による環境負荷は主にオフィスでの電力使用に起因します。2025年度に連結財務報告を境界とする温室効果ガス・インベントリを完了し、2025年を基準年として、2026年より毎年基準年比1%削減、2030年に基準年比10%削減を目標に掲げ、政府の2050年ネットゼロ排出ロードマップに呼応しています。またGreen AI(グリーンAI)を積極的に推進し、モデル推論効率とソフトウェア・アーキテクチャの最適化によりAI演算のエネルギー消費を低減することで、技術の中核からサステナビリティを実践しています。

社会面では、人材こそがソフトウェア産業における最も重要な資産です。当社は報酬・福利厚生制度の継続的な改善、ハイブリッドワークの推進、AIおよび情報セキュリティ関連スキル研修の強化に取り組み、2025年度は労働災害の発生はありませんでした。ガバナンス面では、2025年11月に「指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会」を設置し、独立取締役が主導する体制のもとでサステナビリティと気候関連課題を取締役会レベルの監督対象として正式に組み入れました。あわせてISO 27001:2022情報セキュリティマネジメントシステムの改訂審査に合格し、通期の情報セキュリティおよび個人情報漏えい事故はゼロ件で、お客様およびステークホルダーからの信頼を守り続けています。

当社は、AIが企業の生産性を高めるツールにとどまらず、社会のサステナビリティを推進する力になると確信しています。2025年度には「ナレッジマネジメントに基づく責任あるAI(Responsible AI)管理手法」の発明特許を取得し、責任あるAIのガバナンス思想を製品設計に組み込むことで、お客様がより安全で信頼できる形で生成AIを導入できるよう支援しています。今後もIntumitは「対話型AIと生成AI」の中核技術により、お客様の運用エネルギー消費の低減と意思決定効率の向上に貢献するとともに、サステナビリティの視点を製品開発と企業経営に融合させ、すべてのステークホルダーとともに長期的な共栄の価値を創造してまいります。

黎少倫の署名
会長 黎少倫
邱仁鈿の署名
副会長兼社長 邱仁鈿

会長 黎少倫 / 副会長兼社長 邱仁鈿  謹識

1-02

会社概要

(GRI 2-1 組織の詳細、GRI 2-6 活動、バリューチェーンおよびその他の取引関係に対応)

Intumit Inc.は1999年(民国88年)に設立され、本社を新北市新店区に置く、企業向け対話型AIおよび生成AIアプリケーションを25年以上にわたり手がける独立系ソフトウェアベンダー(ISV)です。自然言語処理(NLP)、検索拡張生成(RAG)、マルチエージェント(Multi-Agent)協調オーケストレーションを中核技術とし、Microsoft Azure OpenAI、Anthropic Claude、Google Geminiなどの大規模言語モデルを統合することで、企業の信頼できるAI活用を支援しています。2025年7月29日に台湾店頭市場(TPEx)へ正式上場しました(証券コード7547)。

項目内容
会社名Intumit Inc.
設立年月1999年(民国88年)5月
証券コード7547(TPEx上場);2025年7月29日に正式上場
事業属性企業向け対話型AI/生成AIアプリケーション・サービス事業者(独立系ソフトウェアベンダーISV);情報ソフトウェアサービス業
払込資本金新台湾ドル332,040,000元(2025年末時点)
連結売上高新台湾ドル352,285千元(2025年度;国内販売73.40%/輸出26.60%)
従業員数135名(2025年12月31日時点)
本社新北市新店区北新路一段86号20階 電話 +886-2-2912-2100
事業拠点台北(新店)本社、台中営業所
会長黎少倫(威連科技股份有限公司の法人代表;2026年6月就任)
副会長兼社長邱仁鈿(米国MIT博士)

主要な製品・サービス(2025年度の売上構成)

製品ライン概要売上構成比
GenAI Admin Portal
生成AIアプリケーション管理プラットフォーム
Azure OpenAI、Anthropic Claudeなどの大規模言語モデルを中核に、RAGとMulti-Agent協調オーケストレーションを統合。2025年度における最大の事業エンジン(売上総利益率62.26%)。51.81%
SmartRobot AIチャットボット
+SmartWork バーチャルアシスタント
オムニチャネルAIカスタマーサービス(KM/IVR/CTI/CRMを統合)と、企業内業務プロセスの対話型自動化(Teams、LINEと連携)。36.71%
SmartBC スマート・マーケティングシステムLINE公式アカウント、Facebook Messengerなどのソーシャル・メッセージングを統合。7.94%
SmartKMS ナレッジマネジメントシステムセマンティック検索と文書要約。Anthropic Claudeとの統合済み。3.36%

当社の累計顧客数は700社を超え、台湾の国内銀行の8割超が当社のナレッジマネジメントまたは対話型AIサービスを採用しており、同分野で市場シェア首位を占めています。主要顧客には公営・民営の金融機関、台北メトロ、リージェント台北、エバー航空、慈済基金会、日本のアフラック(Aflac)などが含まれます。当社の継続収入(サブスクリプションおよび保守ライセンス)比率は29%に達し、2024年にはMicrosoft Best Partner of the Yearを受賞しました。

関係会社(出資比率はいずれも100%)

関係会社所在地/設立年主な事業
智網達資訊(北京)有限責任公司中国大陸/2010年研究開発および情報サービス
Intumit Japan(インツミット株式会社)日本/2019年事業開発およびカスタマーサービス
Intumit Corporation米国/2023年事業開発
Intumit Mobile Inc.米国/2007年投資事業

沿革(マイルストーン)

1999201520242025
台北にて設立SmartRobot AIチャットボットを発表Microsoft 台湾年間最優秀パートナー賞を受賞GenAI Admin Portalを発表しTPExへ上場
主なマイルストーン
1999Intumitを台北にて設立(創業者:陳立宗博士)。
2000–2002SmartContent、SmartKMSなどナレッジマネジメント製品シリーズを発表。
2009–2011WiSe検索エンジン技術を発表し、中国大陸市場へ進出。
2015SmartRobot AIチャットボットシステムを発表。
2018/2020/2021Go Incubation Board登録(2018年)、公開発行会社へ移行(2020年)、エマージング株式市場へ登録(2021年)。
2024Microsoft 台湾年間最優秀パートナー賞を受賞。
2025生成AIアプリケーション管理プラットフォームGenAI Admin Portalを発表し、7月29日に台湾店頭市場(TPEx)へ正式上場(7547)。

主な受賞・認証

当社はこれまでに20件を超える業界表彰および認証を取得しています。近年の主な評価としては、Microsoft 台湾年間最優秀パートナー賞(2024年)、Microsoft Top Valuable ISV Partner、Gartner Cool Vendor、Gartner Top AI Startup、LINE Clova公式認定テクノロジーパートナー、NVIDIA Connect Programメンバー、およびISO 27001情報セキュリティマネジメントシステム認証などがあります。

1-03

レポートの基本情報

1-03-1

作成の準拠

本レポートは、Global Reporting Initiative(GRI)が発行する「GRI共通スタンダード2021」を参照して作成し、金融監督管理委員会「上場・店頭公開会社のサステナビリティレポート作成および申告に関する作業弁法」の趣旨に従い、台湾証券取引所コーポレート・ガバナンスセンターのESGデジタルプラットフォーム「サステナビリティレポート作成機能」を通じて、当社が申告済みのESG情報開示指標を集約して編集しました。当社は情報ソフトウェアサービス業に属し、GRIは対応する業種別スタンダードを未発行であるため、「GRIスタンダード参照」の方式で報告しています。

1-03-2

報告対象期間と発行頻度

本レポートの対象期間は2025年1月1日から2025年12月31日まで(民国114年度)であり、一部の管理体制および方針については2026年の発行日までの内容を含みます。本レポートは年1回発行し、今回がIntumitとして初めて発行するサステナビリティレポートです。

1-03-3

報告バウンダリーと範囲

本レポートの開示範囲はIntumit Inc.(親会社)を主とし、温室効果ガス・インベントリおよび財務情報については連結財務報告における親会社・子会社をバウンダリーとしています。報告期間中、組織およびサプライチェーンに重大な変更はありません。

1-03-4/5

情報の修正再表示と外部保証

本レポートは初版であるため、過年度情報の修正再表示はありません。今期の温室効果ガス・インベントリおよび本レポートについては、第三者による外部保証を未取得です。当社は2027年(民国116年)より親会社の温室効果ガス・インベントリ、2028年(民国117年)より子会社のインベントリについて外部検証を段階的に導入する計画であり、事業規模に応じてレポートの外部保証取得も検討してまいります。

1-03-6

本レポートの担当部署および問い合わせ先

本レポートは当社サステナビリティ推進チームが取りまとめ、2026年8月6日開催の第2期第1回指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会ならびに第13期第3回取締役会の審議を経て承認されました。問い合わせ窓口:Intumit サステナビリティ推進チーム/住所:新北市新店区北新路一段86号20階/電話:+886-2-2912-2100/コーポレートサイト:https://www.intumit.jp /サステナビリティ・サイト:https://www.intumit.jp/esg_jp/。

02
CHAPTER 02

サステナビリティ経営とコーポレート・ガバナンス

2-01

サステナビリティ戦略とSDGs

(GRI 2-22に対応)

当社は「対話型AIと生成AIで企業のデジタル・サステナビリティ変革を推進する」をサステナビリティの中核理念とし、サステナビリティの視点を製品開発・顧客サービス・企業経営に融合させています。企業のAI活用を支えるイネーブラーとして、Intumitのサステナビリティ価値は自社運営の低炭素化と誠実さにとどまらず、製品を通じて多くのお客様のデジタル効率向上、人的・紙資源の消費削減、デジタル・インクルージョンの拡大に寄与する点にあると考えています。三側面の戦略の柱は以下のとおりです。

当社は《サステナビリティ実務規範》《環境保護方針》《人権方針》《サプライヤー管理規程》などサステナビリティ関連の規程を定め、コーポレートサイトのサステナビリティ・サイト(https://www.intumit.jp/esg_jp/)で公開し、「環境との共生」「社会との共栄」「企業の持続的経営」の三本柱からサステナビリティのコミットメントを実践しています。

側面戦略の柱具体的な方向性
環境 Eグリーン・デジタル運営オフィスのデジタル化、ハイブリッドワークによるオフィス電力消費の削減、グリーン調達、低炭素・高効率なソフトウェア・アーキテクチャにより、2030年10%削減目標を達成
社会 S人材のサステナビリティと信頼報酬・福利厚生の改善、AIおよび情報セキュリティ関連スキル研修の強化、人権の尊重、労働災害ゼロ、顧客データのプライバシー保護
ガバナンス G誠実なガバナンスと責任あるAI取締役会レベルのサステナビリティ監督、ISO 27001情報セキュリティ管理、責任あるAIのガバナンス、誠実な企業経営とリスク管理体制

国連持続可能な開発目標(SDGs)との対応

当社は事業活動および製品が社会・環境に与える影響を棚卸しし、以下の国連持続可能な開発目標と対応づけています。

側面対応するSDGs当社の関連する取り組み
環境 ESDG 7、12、13デジタル化・ペーパーレス化によるエネルギーと資源消費の削減。対話型AIによりお客様の物理的な業務を減らし、間接的に事業活動のカーボンフットプリントを低減。
社会 SSDG 3、4、5、8、10従業員の健康増進と労働災害ゼロ、AIおよび情報セキュリティ関連の人材育成、ジェンダー平等(女性管理職36.84%)、働きやすい職場とデジタル・インクルージョン。
ガバナンス GSDG 8、16、17誠実な企業経営と健全なガバナンス、責任あるAIと情報セキュリティ・プライバシー保護、Microsoftをはじめとするパートナーとの技術協業エコシステムの構築。
2-02

サステナビリティ推進のガバナンス体制と運用

(GRI 2-9、2-13、2-16に対応)

当社は2025年11月7日、取締役会の下に「指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会」を設置しました。3名の独立取締役が委員を務め、監査委員会の招集人が委員長を兼任し、当社サステナビリティの最高ガバナンス機関として位置づけています。同委員会は、当社のサステナビリティ(気候関連課題を含む)に関する重要方針の行動計画および資本的支出の策定・推進・強化、サステナビリティ施策の実行状況と成果の検討・追跡・修正を担い、取締役会に対して当社のサステナビリティ戦略を提案します。コーポレートガバナンス責任者がESGプロジェクトのマネジメント責任者を務め、各部門の上級管理職を定期的に招集して重要なサステナビリティ・気候関連のリスクと機会を特定するとともに、部門横断で編成されたサステナビリティ推進チームがデータ集約、部門間コミュニケーション、施策推進を統括します。

サステナビリティ・ガバナンスの三層構造:取締役会(最高監督)→ 指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会(方針策定と監督)→ コーポレートガバナンス責任者およびサステナビリティ推進チーム(部門横断の実行推進)。同委員会は年1回以上、取締役会にサステナビリティ推進状況を報告します。

サステナビリティ推進組織と役割分担

当社のサステナビリティ推進チームはコーポレートガバナンス責任者が統括し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の三側面に分かれて推進するとともに、監査室がサステナビリティ情報開示に係る内部統制の有効性を確認します。

グループ主な職掌
環境グループ温室効果ガス・インベントリ、省エネ・脱炭素、グリーンオフィスと資源リサイクル。
社会グループ人材育成、従業員のケアと権益、人権、職場の健康と安全、社会貢献。
ガバナンスグループ誠実な企業経営、法令遵守、リスク管理、情報セキュリティとプライバシー、顧客関係とサプライチェーン。
2-03

取締役会の構成および運営状況

(GRI 2-9、405-1に対応。数値はESG情報開示指標より引用)

2025年12月31日現在、当社の取締役会は9名の取締役(うち独立取締役3名、33.3%)で構成され、財務・金融、技術研究開発、ブランド・チャネル、人的資源、情報技術産業など多様な専門的バックグラウンドを備えています。女性取締役は1名(宋心琦、独立取締役)で11.11%を占めます。法人取締役の代表者であった王元利は、2025年1月3日付で威連科技により簡西村へ変更されました。取締役会の多様性方針は「コーポレート・ガバナンス実務規範」に定めており、「独立取締役の再任は3期を超えない」「独立取締役のうち1名以上が財務・金融または企業経営のバックグラウンドを有する」「単一の性別の取締役が一定比率に達する」などの管理目標を達成しています。

《取締役選任規程》に基づき、当社の取締役選任は候補者指名制度および累積投票制を採用し、独立取締役と非独立取締役を別々に指名し、当選者数も別々に算定します。また「コーポレート・ガバナンス実務規範」において取締役会の多様性方針を定め、「基本的条件と価値観(性別、年齢、国籍、文化)」および「専門知識・技能(法律、会計、産業、財務、マーケティング、テクノロジー)」の二側面を対象としています。これにより取締役会全体として、経営判断力、会計・財務分析力、経営管理能力、危機対応力、産業知識、国際市場の視野、リーダーシップおよび意思決定といった中核的能力を備えることを期しています。独立性を確保するため、配偶者または二親等以内の親族関係にある取締役が過半数を占めることはできません。

取締役会メンバーの多様性・スキルマトリックス

役職氏名/代表者性別主な専門的バックグラウンド
会長張育達(威連科技 代表)男性財務・金融/投資管理(国立台湾大学 財務金融研究所 修士)
副会長兼社長邱仁鈿男性情報技術/AI研究開発(米国MIT 博士)
取締役區光穎(威連科技 代表)男性エネルギー経済/投資とAI応用(米国カリフォルニア大学バークレー校)
取締役簡西村(威連科技 代表)男性電気情報/デジタル変革(国立台湾大学 電気工学 修士)
取締役謝志鴻男性電子工学/経営管理(米国シンシナティ大学 博士)
取締役陳立宗(創業者)男性人的資源管理/起業経営(香港理工大学 博士)
独立取締役劉念臻男性情報技術(米国オハイオ州立大学 コンピュータサイエンス 博士)
独立取締役瞿志豪男性企業経営/テクノロジー・ベンチャーキャピタル(台湾大学 商学研究所EMBA、台湾大学 電気工学 修士)
独立取締役宋心琦女性財務・金融/情報技術(米国ワシントン大学 コンピュータサイエンス 修士、台湾大学 財務金融学部)

2025年度(第12期)の取締役会は計7回開催され、全取締役の平均実出席率は87.30%でした。各取締役の出席状況は以下のとおりです。

役職氏名区分開催回数実出席出席率
会長張育達法人代表77100.00%
副会長兼社長邱仁鈿取締役7685.71%
取締役區光穎法人代表77100.00%
取締役簡西村法人代表7685.71%
取締役謝志鴻取締役77100.00%
取締役陳立宗取締役77100.00%
独立取締役劉念臻独立取締役7457.14%
独立取締役瞿志豪独立取締役77100.00%
独立取締役宋心琦独立取締役(女性)7457.14%
【重要なガバナンス上の後発事象】 当社は2026年6月5日開催の2026年定時株主総会において第13期取締役の全面改選を完了しました。任期は2026年6月5日から2029年6月4日までです。第13期の取締役は、威連科技の代表者である黎少倫、區光穎、簡西村、ならびに邱仁鈿、謝志鴻、陳立宗であり、独立取締役は宋心琦、李政鋒、林昭陽です。2026年6月12日開催の第13期第1回取締役会において、黎少倫が会長、邱仁鈿が副会長に選定されました。第13期における女性取締役は引き続き1名(宋心琦)で11.11%を占めます。本節の出席状況は、報告期間である2025年度(第12期)の実績に基づき開示しています。
2-03-3

機能別委員会の構成および運営状況

(GRI 2-9に対応。数値はESG情報開示指標より引用)

当社は監査委員会および報酬委員会を設置しており、2025年11月7日の取締役会決議により指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会を新設しました。いずれも独立取締役で構成されています。報告期間(2025年度、第12期)における各委員会の運営状況は以下のとおりです。

委員会構成開催回数平均出席率主な職責
監査委員会劉念臻、瞿志豪、宋心琦(独立取締役3名)7回71.43%財務報告、内部統制、会計監査人の独立性およびリスク管理の監督
報酬委員会招集人 劉念臻、瞿志豪、宋心琦5回73.33%取締役および執行役員の報酬方針と実効性評価の策定
指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会招集人 劉念臻、瞿志豪、宋心琦2回83.33%サステナビリティ(気候関連課題を含む)方針、リスク管理、取締役の指名
注:当社が2026年定時株主総会において第13期取締役を全面改選した後、各機能別委員会は現任の独立取締役である宋心琦、李政鋒、林昭陽により改組されました。監査委員会は法令に基づき独立取締役全員で構成されています。
2-04

取締役の研修と実効性評価

(GRI 2-17、2-18に対応)

当社の2025年度における取締役9名は全員が継続研修を修了し、受講時間の証明を取得しました。研修内容は、企業のAI活用(企業のAI頭脳―AI時代のナビゲーションとマップ)、TCFD/TNFDと生物多様性に関する自然関連財務情報開示、個人情報保護と情報セキュリティ実務、誠実な企業経営規範とインサイダー取引防止実務など、サステナビリティ関連のテーマを含みます。「上場・店頭公開会社の取締役・監査人研修推進要点」が推奨する年間6時間以上の基準で算定すると、充足率は22.22%となります。当社は民国116年度(2027年度)より取締役研修のカリキュラム編成と時間管理を強化し、取締役全員が年間6時間の研修基準を満たすことを段階的な目標としています。あわせて取締役の研修状況を、コーポレートガバナンス責任者が毎年1月に申告する研修追跡の仕組みに組み入れて一体的に管理します。今後も取締役によるサステナビリティおよび気候関連スキルの研修を継続的に奨励してまいります。当社は「取締役会実効性評価規程」を定めており、2025年度の取締役会および機能別委員会の全体・個別の実効性評価は2026年に完了し、取締役会へ報告されました。

《取締役会実効性評価規程》に基づき、当社は年1回以上の実効性評価を実施し、翌年度第1四半期末までに完了します。評価範囲は取締役会全体、個々の取締役、機能別委員会の3階層を対象とし、3年ごとに外部専門機関または有識者チームに委託して実施することができます。評価の観点は、取締役会全体(経営への関与、意思決定の質、構成、選任と研修、内部統制)、個々の取締役(目標・任務の把握、職責の認識、経営への関与、コミュニケーション、専門研修、内部統制)、機能別委員会(経営への関与、職責の認識、意思決定の質、構成と選任、内部統制)です。評価結果は、取締役候補者の指名および個々の取締役の報酬決定(当期利益計上時に3%を超えない範囲で引当)の参考とし、報酬委員会および取締役会の審査を経て、規定に従い年次報告書、公開情報観測所(MOPS)およびコーポレートサイトで開示します。

03
CHAPTER 03

ステークホルダーとの対話とマテリアリティ特定

3-01

ステークホルダー・エンゲージメント

(GRI 2-29に対応)

当社はAA1000 SESステークホルダー・エンゲージメント基準の5原則(依存性、責任、緊張度、影響力、多様な視点)に基づき重要なステークホルダーを特定し、多様なチャネルを通じて対話を行っています。2025年度はステークホルダーの関心度に関する有効回答91件(従業員56、顧客19、サプライヤー14、株主7、非営利団体3、投資家1)を回収しました。各ステークホルダーの関心事項と対話チャネルは以下のとおりです。

ステークホルダー主な関心事項対話チャネルと頻度
監督官庁法令遵守、情報セキュリティ事故の通報公開情報観測所(MOPS)への申告、随時の文書報告
顧客プロジェクト品質、サービスレベル(SLA)、情報セキュリティとプライバシープロジェクト会議、カスタマーサポートシステム、満足度調査(案件ごと/随時)
従業員給与・福利厚生、労働時間、キャリア開発労使会議(四半期ごと)、EIP告知、直属上長および人事窓口
サプライヤー/パートナー公正な調達、協業要件調達評価、契約に関する協議(随時)
株主/投資家経営成績、コーポレート・ガバナンス、リスク管理機関投資家向け説明会(年2回)、株主総会、重要情報の適時開示
取締役会コーポレート・ガバナンス、サステナビリティ戦略、リスク管理取締役会(年7回)、機能別委員会
3-02

マテリアリティ特定のプロセス

(GRI 3-1に対応)

当社はGRIのマテリアリティ原則(インパクトの重要性)に基づき、DJSI、MSCI、SASB(Software & IT Services)、ISSB/TCFDなどの国際的フレームワークを参照し、サステナビリティ推進チームが以下の4ステップでマテリアリティ特定を実施しています。また、包括的なマテリアリティ分析は2年ごとに実施する計画です。

ステップ内容
① 組織の背景の把握事業・バリューチェーン分析、国際的なサステナビリティ動向、国際評価機関(DJSI/MSCI/SASB)、同業他社比較(緯創軟體、資拓宏宇、中華電信システムインテグレーション各社)、ステークホルダーの意見などの観点から、19項目のサステナビリティ課題を洗い出しました。
② インパクトの特定19項目の課題について、経済・環境・社会(人権を含む)に対する実際のおよび潜在的なプラス(機会)・マイナス(リスク)のインパクトを評価しました。
③ 優先順位づけ上級管理職によるインパクト分析アンケート13件(インパクト度=発生可能性×影響度)と、ステークホルダーの関心度アンケート91件(関心度)を回収し、それぞれ上位5項目を抽出しました。
④ 対話と開示分析結果を指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会に上程して審議・確認を受け、GRIスタンダードに従いマネジメント方針、目標および成果を開示します。
3-03

重要課題(マテリアリティ)一覧

(GRI 3-2に対応)

当社は19項目のサステナビリティ課題についてインパクト度と関心度の評価を行い、インパクト度上位5項目と関心度上位5項目を統合・重複排除しました。さらに指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会が国際的な気候関連法規による開示義務化の潮流を考慮し、「温室効果ガス管理と排出削減」を追加した結果、計9項目の重要課題を特定しました。

側面重要課題インパクト度関心度対応するGRI/管理の根拠対応する章
環境 E温室効果ガス管理と排出削減2.753.19GRI 305 大気への排出6-02
社会 S顧客関係管理3.734.36GRI 416/独自指標4-08
社会 S職場の健康と安全3.294.41GRI 403 労働安全衛生5-02
社会 S人材の獲得と従業員の福利厚生3.544.25GRI 401/404/4055-01
ガバナンス G誠実なガバナンス3.444.49GRI 205/206/2-234-03
ガバナンス G経営成績3.294.43GRI 201 経済的パフォーマンス4-01
ガバナンス G情報セキュリティとプライバシー管理3.544.52GRI 418/ISO 270014-06
ガバナンス G製品イノベーションと研究開発3.714.25独自指標/責任あるAI4-08
ガバナンス G製品の品質と安全性3.714.24GRI 416 顧客の安全衛生4-08

バリューチェーンにおけるインパクトの範囲:上流=サプライヤー(ハードウェア機器サプライヤー、ソフトウェアライセンス提供元、外部委託先)、中流=中核事業(システムインテグレーション、プロジェクト導入、AIエージェント・アプリケーション開発、運用保守サービス)、下流=顧客(企業、政府機関、金融機関、公共部門)。

また当社は、9項目の重要課題を国連持続可能な開発目標(SDGs)と対応づけ、重要課題とグローバルなサステナビリティ・アジェンダとの結びつきを強化しています。誠実なガバナンス、情報セキュリティとプライバシー管理はSDG 16、経営成績、人材の獲得と従業員の福利厚生、職場の健康と安全はSDG 8、製品イノベーションと研究開発、顧客関係管理、製品の品質と安全性はSDG 9、温室効果ガス管理と排出削減はSDG 13に対応します。

3-04

重要課題のマネジメント方針

(GRI 3-3に対応)

各重要課題のプラス・マイナスのインパクトと管理施策の概要は以下のとおりです。詳細な実績は第四章から第六章の該当箇所で開示しています。

重要課題プラスのインパクト(機会)マイナスのインパクト(リスク)管理施策/目標
情報セキュリティとプライバシー管理顧客および投資家からの信頼の強化情報セキュリティ事故による高額の損害賠償請求と信用失墜ISO 27001:2022、情報セキュリティ委員会、事故ゼロの管理
誠実なガバナンス企業価値と監督の実効性の向上不正または法令違反による重大な損害と制裁誠実な企業経営規範、内部通報制度、監査委員会による監督。腐敗防止、反競争的行為の防止および一般的な法令遵守(労働、個人情報、証券関連法令などを含む)のモニタリングと改善を対象とする
経営成績商機の先行開拓と売上の拡大経営戦略の失敗短期・中期・長期のサステナビリティ経営戦略、取締役会による監督
顧客関係管理満足度の向上と受注の獲得顧客からの苦情の増加と信頼の喪失定期的な対話、SLA、カスタマーサポートシステムによる即時対応
製品イノベーションと研究開発デジタル変革ニーズの牽引技術の陳腐化と市場シェアの喪失AI研究開発への継続的投資(売上高比10.67%)、責任あるAI
製品の品質と安全性顧客からの信頼強化と長期的な販売システム停止による顧客からの損害賠償請求品質管理、システムの安定性と可用性の向上
人材の獲得と従業員の福利厚生優秀な人材の獲得と競争力の向上人材の流出と離職率の上昇手厚い報奨、多様な福利厚生、ハイブリッドワーク
職場の健康と安全過重労働リスクの低減と従業員の安心労働災害および訴訟リスク労働時間のモニタリング、健康診断、労働災害ゼロの管理
温室効果ガス管理と排出削減顧客のサプライチェーン脱炭素要請への適合大企業との協業機会の喪失インベントリの完了、2030年10%削減目標
04
CHAPTER 04

ガバナンス

4-01

経済的パフォーマンス

(GRI 201-1に対応。関連する重要課題:経営成績)

当社の2025年度連結売上高は新台湾ドル352,285千元、売上総利益は191,821千元、売上総利益率は54.45%へ向上し、税引後純利益は81,698千元、1株当たり利益は2.65元となり、収益力と事業規模がともに拡大しました。直近5年度の直接的な経済価値は以下のとおりです。

項目(新台湾ドル千元)2021年度2022年度2023年度2024年度2025年
売上高165,522176,499202,105333,402352,285
売上総利益55,15874,04294,814148,842191,821
営業利益-53714,08827,35456,63598,501
税引後純利益9012,99631,12557,67181,698
1株当たり利益(元)0.000.511.222.012.65
実効税率18.5%21.0%
研究開発費23,80427,22531,44938,79037,594
研究開発費の売上高比14.38%15.43%15.56%11.63%10.67%

2025年度(民国114年度)の剰余金処分案は、2026年6月5日開催の定時株主総会において決議・承認され、1株当たり現金配当1.8元(合計60,386,400元)を実施します。その後、当社の資本金の変動により発行済株式数に影響が生じた場合は、株主総会の授権に基づき、会長が配当基準日における実際の流通株式数に応じて1株当たりの実際の配当額を調整します。当社は2026年8月6日開催の第13期第3回取締役会において、配当基準日を2026年8月29日、現金配当支払日を2026年9月23日と決定し、取締役会決議時点の発行済株式数33,963,000株に基づき、1株当たりの実際の現金配当額は1.77800547元、配当総額60,386,400元は変わりません。当社の配当方針は、剰余金の分配を当該年度の配分可能利益の30%以上とし、現金配当を分配予定額の30%以上とすることを原則としています。技術研究開発部門は計60名(5-01の職能別人員統計を参照)で、製品開発、プロジェクト技術支援などの職能を含みます。うち新技術研究と特許開発に注力する中核研究開発チームは18名(博士1名、修士8名を含む)、平均勤続年数12年で、対話型AIおよび生成AIの中核技術開発に継続的に取り組んでいます。

当社の民国114年度(2025年度)連結財務報告は、KPMG(安侯建業聯合会計師事務所)の公認会計士 簡思娟および王怡文による監査を受け、無限定意見が表明されました。監査上の主要な検討事項は、進捗度に応じて認識するプロジェクト収益です。当社の財務体質は健全であり、2025年末時点の資産合計は1,089,311千元、資本合計は979,531千元、現金及び現金同等物は87,550千元、負債比率はわずか10%です。

直接的な経済価値の創出と分配(GRI 201-1に対応)

項目2025年度(新台湾ドル千元)概要
創出した直接的な経済価値352,285連結売上高(台湾258,571/日本91,910/その他)
従業員への分配(給与および福利厚生)162,754給与、労働保険・健康保険、退職金およびその他の従業員福利厚生
資金提供者への分配(配当)60,3862025年度の1株当たり現金配当1.8元。2026年6月5日開催の定時株主総会で決議・承認され、配当基準日における実際の流通株式数に応じて1株当たり配当額を調整する権限を会長に授権。2026年8月6日開催の第13期第3回取締役会で配当基準日を2026年8月29日と決定し、33,963,000株に基づき1株当たり1.77800547元を実際に配当
政府への分配(法人所得税)21,765法人所得税費用、実効税率は約21.0%
企業内に留保した経済価値37,594(研究開発投資)留保利益は研究開発・イノベーション(2025年度の研究開発費37,594千元、売上高比10.67%)および事業成長へ優先的に投入
4-02

税務

(GRI 207に対応)

当社は誠実な申告と法令に基づく納税を原則とし、事業を展開する各地域(台湾、中国大陸、日本、米国)において現地の税務法令を遵守しています。租税回避を目的とするタックスプランニングは行っておらず、タックスヘイブンを利用した不適切な税務スキームも用いていません。

当社の2025年度の法人所得税費用は21,765千元、実効税率は約21.0%(2024年度は18.5%)であり、国内法定税率と同水準です。法人所得税は2023年度分まで確定しています。当社は台湾、中国大陸、日本、米国において現地法令に従い誠実に申告・納税し、税務コンプライアンスと透明性を実践しています。

4-03

誠実な企業経営

(GRI 205 腐敗防止、GRI 206 反競争的行為、GRI 2-23 方針コミットメントに対応。関連する重要課題:誠実なガバナンス)

当社は「誠実な企業経営の作業手順および行動指針」「倫理行動規範」「従業員行動規範」を定め、内部通報窓口を設置しています。監査室が誠実な企業経営を推進する専任部署として、監査委員会へ定期的に報告しています。当社の誠実な企業経営に関する規範は「上場・店頭公開会社の誠実な企業経営規範」と重要な相違はなく、新入社員は100%が誠実な企業経営とインサイダー取引防止に関する啓発を受講しました。現任従業員による定期的な再署名およびサプライヤーによる誠実経営誓約書の署名については、制度化を段階的に進めています。2025年度において、腐敗行為または反競争的行為に関連する訴訟および金銭的損失は発生していません。

当社はさらに以下の仕組みにより誠実性と腐敗防止を実践しています。《関係者取引管理規程》に基づき、取締役は自己の利害に関係する議案について自ら回避し、議決に加わることも議決権の代理行使もできません。関係者取引については監査委員会が取引条件の合理性を検証します。《賞罰管理規程》では、私的な不正行為、贈収賄または手数料の受領、営業秘密の漏えい、職場におけるセクシュアルハラスメントなどを重大な懲戒事由(最も重い場合は解雇のうえ民事・刑事責任を追及)と定める一方、不正の通報または防止により当社の重大な損失を回避・軽減させた者には表彰を行い、前向きな誠実文化を醸成しています。《手数料支出管理規程》では、販売手数料は顧客からの入金後に、実質的な仲介を裏付ける証憑を添付し法令に従い源泉徴収を行ったうえでなければ支払えないものとし、不適切な手数料やキックバックを防止しています。

当社の誠実なガバナンスは、「誠実な企業経営規範、従業員行動規範、取締役および執行役員の倫理行動規範、内部通報・苦情処理規程」の4文書を基礎とし、「検知―予防―改善」のサイクルにより継続的に強化しています。内部通報案件の処理は、受理 → 調査 → 記録 → 通報者の保護 → 監査委員会および取締役会への定期報告、の5ステップで行います。また会社法第206条、第208条、第178条に基づき取締役の利益回避を徹底しています。以下の腐敗リスク類型については、それぞれ対応する防止規範を定めています。

腐敗リスクの類型防止規範
利益相反と贈答利益相反の回避、不適切な贈答・接待に関する規範。
贈収賄と不正な利益贈収賄の禁止、政治献金および寄付・協賛の審査。
インサイダー取引インサイダー取引防止規範、新入社員および在職者への啓発。
反競争的行為・独占禁止公正取引に関する規範、カルテルおよび不正競争の禁止。

法令遵守の状況:当社の誠実なガバナンスは、腐敗防止、反競争的行為の防止および一般的な法令遵守(コーポレート・ガバナンス、労働、個人情報保護、証券関連法令を含む)を対象としています。2025年度は、本レポート5-01に記載の労働基準法第24条第1項(時間外労働の賃金計算)違反に係る制裁1件(過料 新台湾ドル50,000元。当社は残業手当の計算方法を速やかに是正し、改善を完了)を除き、その他の重大な法令違反はありません。当社は内部統制の自己評価、監査室による検証および法令更新の定期的な仕組みを通じて、各業務循環における法令遵守を継続的に強化するとともに、関連する制裁および改善状況を誠実なガバナンスの重要課題として一元的に管理・開示しています。

4-04

コミュニケーション・チャネルと苦情処理メカニズム

(GRI 2-25、2-26に対応)

当社は従業員向け苦情窓口、内部通報窓口およびステークホルダー連絡窓口を設置し、事業運営、財務、誠実性および違法行為に関する通報・提言を受け付けるとともに、通報者の秘密保持と保護を徹底しています。案件は監査室が受理し、手続に従い調査、回答および改善のフォローアップを行います。

情報開示の正確性と一貫性を確保するため、当社は《財務および非財務情報管理規程》に基づき、スポークスパーソンおよび代理スポークスパーソンを各1名設置し、当社の重要情報を一元的に対外公表しています。従業員は当社の財務および営業情報について守秘義務を負います。株式事務は専門の株式事務代行機関に委託し、「公開発行株式会社株式事務処理準則」に従い、株主の口座開設、名義書換、株主総会および配当支払等の権利を保障し、株主平等の取扱いを維持しています。

4-05

リスク管理

当社は2024年に取締役会の承認を経て「リスク管理方針および手続」を制定し、2025年11月に指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会を設置してリスクとサステナビリティに関する事項を統括しています。潜在的なリスクの特定、測定、モニタリング、監督および管理を通じて統合的なリスク管理体系を構築しており、以下の8つのリスク側面について特定と対応を行っています。

リスク側面当社の対応
戦略リスク取締役会が短期・中期・長期の経営戦略を監督し、AI市場と技術動向を把握。
事業運営リスクプロジェクト管理とシステム運用保守品質を強化し、顧客の集中度を分散(最大顧客の構成比は年々低下)。
技術サプライヤーの集中リスク中核製品はAzure OpenAI、Anthropic Claude、Google Geminiなど外部の大規模言語モデルに依存するため、マルチクラウド・マルチモデルの並行アーキテクチャを採用し、サプライヤーとの契約条件およびサービスレベル契約を定期的に見直すとともに、モデル切替の柔軟性を確保。これにより単一サプライヤーのAPI条件変更、価格改定またはサービス停止のリスクを分散。
財務リスク為替(外貨ポジション)および金利リスクを管理し、高レバレッジ取引やデリバティブ取引は行わない。財務諸表注記に基づき外貨感応度を開示(日本円対新台湾ドル±5%の変動が税引後純利益に与える影響は約±3,369千元)。
情報セキュリティリスクISO 27001:2022およびNISTフレームワークに基づき管理し、年次のリスクアセスメントと災害復旧訓練を実施。
法令遵守リスクコーポレート・ガバナンス、労働、個人情報および証券関連法令を継続的に遵守し、重大な違反なし。
気候変動リスク温室効果ガス・インベントリを完了し、IPCC AR6のシナリオ分析により事業拠点の浸水リスクを評価。
感染症/事業継続リスク事業継続計画(BCP)を策定し、ハイブリッドワークによりサービスの中断を回避。

2025年度において当社は関連法令・規則を継続的に遵守しており、重大な法令違反はありません。

財務のレジリエンスの面では、当社は低い財務レバレッジ(2025年末の負債比率10%)を維持し、債務保証は一切なく、重大な訴訟や偶発債務もない健全な財務体質を保っています。AIプロジェクトの構築に対応するため、当社はサプライヤーとAPIサービス契約のコミットメント(契約総額約31,430千元、2025年末時点の未払額26,526千元)を締結しており、関連するコミットメントは財務報告の注記で開示しています。売掛金は《予想信用損失管理規程》に基づき区分して貸倒引当金を計上し(2025年末の貸倒引当金2,822千元)、顧客集中度の分散を継続しています(最大顧客の売上構成比は2024年度31.8%から2025年度21.9%へ低下)。これにより事業のレジリエンスを強化しています。また当社の事業は日本円などの外貨建て収支を伴うため、財務報告注記六(十七)に開示した外貨感応度分析によれば、他の条件が一定の場合、日本円が新台湾ドルに対して5%上昇または下落したときの2025年度税引後純利益への影響は約±3,369千元(2024年度は約±1,974千元)であり、為替リスクは全体として管理可能な水準にあります。

新興リスク:責任あるAIのガバナンス

当社は対話型AIおよび生成AIのサービス事業者として、人工知能に伴う新興リスクを特に重視し、リスク管理と製品開発ガバナンスに組み入れています。

AIの新興リスク潜在的影響当社の対応
安全性モデルの悪用または敵対的攻撃アクセス制御、入力フィルタリング、情報セキュリティ管理体制。
信頼性生成コンテンツの不正確さやハルシネーションRAG(検索拡張生成)により回答の正確性とトレーサビリティを向上。
バイアスと公平性アルゴリズムによる差別や不公平な結果データソースのガバナンス、モデル審査およびバイアス防止。
プライバシー個人情報の漏えいまたは不適切な利用データ最小化、匿名化、利用目的の明確化および外部委託時の守秘規範。

また当社は「AI革新技術の応用」をプラスの重要課題(製品イノベーションと研究開発)に位置づけ、リスクと機会の両面から責任あるAIのガバナンスを実践しています。

内部統制制度と主要規程

当社は「公開発行会社の内部統制制度構築に関する処理準則」に基づき内部統制制度を整備し、《内部統制制度総則》および《内部統制制度自己評価作業手順》を定めています。毎年自己評価を実施し、内部統制制度声明書を作成しています。健全なコーポレート・ガバナンスと事業運営のため、当社取締役会は以下の主要規程(抜粋)を承認しています。

当社の内部統制制度は、①事業運営の有効性・効率性および資産の安全、②報告の信頼性(財務および非財務報告を含む)、③関連法令の遵守、という3つの目標の達成を合理的に確保することを目的とし、COSOの5つの構成要素(統制環境、リスク評価、統制活動、情報と伝達、モニタリング活動)に基づき設計・運用しています。このうち統制環境は、誠実性と倫理観、取締役会によるガバナンス監督、誠実な企業経営の作業手順および行動指針、取締役・従業員行動規範を基礎としています。

当社は業種特性に応じ、内部統制制度を以下の取引循環および管理統制活動に区分し、各部署の職責を明確化して職務分掌を徹底しています。

取引循環/管理統制対象となる主な統制活動
① 販売および回収の循環見積、契約、収益認識(IFRS 15に準拠)、売掛金および与信管理。
② 購買および支払の循環サプライヤー管理、購買申請、検収、支払および手数料支出の統制。
③ プロジェクトの循環プロジェクト導入、AIアプリケーション開発、運用保守サービスの品質と進捗の管理。
④ 給与の循環人員の採用、報酬の計算と支給、賞罰および人事評価。
⑤ 資金調達の循環資金繰り、借入および債務保証の承認統制。
⑥ 有形固定資産の循環資産の取得、保管、棚卸、除却・廃棄およびリサイクル。
⑦ 投資の循環出資の評価、子会社の監督と管理。
⑧ 研究開発の循環研究開発プロジェクト管理、知的財産権および営業秘密の保護。
⑨ 情報システム管理の循環情報セキュリティ、個人情報保護、システム開発・保守および事業継続。
⑩ 管理統制活動印鑑、手形、予算、財務および非財務情報、関係者取引、財務諸表作成プロセス、株式事務、取締役会議事などの統制。

当社の監査室は取締役会に直属し、年度監査計画に基づき独立して検証を実施します。各部署および子会社は年1回以上の自己評価を行い、監査室の再検証を経て、指摘事項の改善状況とあわせて取締役会が内部統制制度声明書を作成する根拠としています。関連する調書は5年以上保存します。親会社は、子会社の取締役・監査役ポストの確保、グループ経営戦略とリスク方針の指導、子会社の月次管理報告の定期的な入手および三層の監査体制を通じて、子会社に対する監督を実践しています。

主要規程一覧

ガバナンスの側面主要規程(括弧内は直近の改訂年)
取締役会とガバナンス取締役選任規程(2021年)、取締役会実効性評価規程(2023年)、関係者取引管理規程(2020年)、子会社監督・管理規程、職務授権および代理人管理規程
財務と資産会計制度(2024年)、予算管理規程、財務諸表作成プロセス管理規程(2023年)、資産管理規程(2025年)、財務および非財務情報管理規程
誠実性と人事誠実な企業経営の作業手順および行動指針、倫理行動規範、賞罰管理規程
情報セキュリティと知的財産個人情報保護管理規程、情報セキュリティ方針、知的財産権管理規程(2021年)
サステナビリティとサプライチェーンサステナビリティ実務規範、環境保護方針、人権方針、サプライヤー管理規程(2019年)
4-06

情報セキュリティと顧客プライバシーの保護

(GRI 418 顧客プライバシーに対応。関連する重要課題:情報セキュリティとプライバシー管理)

情報セキュリティは当社にとって最も重要な重要課題の一つです。当社は2019年8月20日に情報セキュリティ管理委員会を設置し、2024年6月26日の取締役会決議により、CTOである江明洋副総経理を情報セキュリティ責任者(CISO)に任命しました。情報セキュリティ専任責任者として張哲雄副総経理、専任担当者として陳彥綸を配置し、その下にリスク分科会、文書分科会、監査分科会を設けています。年1回以上、取締役会に対して情報通信セキュリティ管理の実施状況を報告しています。当社はISO 27001に準拠して「情報セキュリティ方針」を制定し、ISO 27001、個人情報保護法施行細則、上場・店頭公開会社の情報通信セキュリティ管理指針を業務基準として、PDCAによる継続的改善サイクルを導入しています。

情報セキュリティ・ガバナンス体制(NISTの5つの機能を参照)

機能当社の管理施策
識別(Identify)資産台帳の年次棚卸、重要資産の保守・保証契約の締結、年次の情報セキュリティ・リスクアセスメント。
防御(Protect)権限の等級管理と年次見直し、重要データの暗号化、ウイルス対策ソフトの自動更新、ネットワーク・ファイアウォールの接続ルール、新入社員および全社員向け情報セキュリティ教育。
検知(Detect)サーバーの脆弱性スキャン、迷惑メールおよびウイルス脅威対策、サーバールームの入退室管理と温湿度監視。
対応(Respond)情報セキュリティ事故の通報・対応手順、TWCERT情報セキュリティ・アライアンスへの加入による共同防御の強化。
復旧(Recover)重要システムのローカル/遠隔地/クラウドバックアップ、年1回以上のバックアップ復元および災害復旧訓練。

情報セキュリティ管理の主なマイルストーンと2025年度の実施状況

  • 2019年12月11日にISO 27001認証を初取得。2025年11月21日にISO 27001:2022への改訂審査および認証更新に合格。
  • 2025年のISO 27001認証費用は約新台湾ドル29万元、EC-Council CEH認証費用は約6万元。
  • TWCERT情報セキュリティ・アライアンスの会員として承認され、業界の共同防御を強化。
  • 2025年度の情報セキュリティ・リスクアセスメント:受容不可のAランクリスクは0件。

2025年度の情報セキュリティ教育

実施日講座名/認証時間/人数
2025/02–03EC-Council CEH 認定ホワイトハッカー養成講座40時間/1名
2025/10/31ISO 27001:2022 情報通信セキュリティ教育3時間/4名
2025/11/042025年 全社情報セキュリティ教育1時間/全社員
2025/11/21情報セキュリティマネジメントシステム内部監査4時間/4名

顧客プライバシーと個人情報の保護

当社の製品は顧客の大量のデータ処理を伴うため、データ最小化、利用目的の明確化および匿名化の原則を徹底し、外部委託業務については秘密保持誓約および個人情報保護条項への署名を求めています。2025年度の情報セキュリティおよび個人情報に関する実績は以下のとおりです。

当社は《個人情報保護管理規程》(取締役会の承認を経て施行)を定め、個人情報の収集・処理・利用の全プロセスを規律し、以下の仕組みを徹底しています。

  • 収集・処理・利用の原則:本人の権利を尊重し、信義誠実の方法により、特定の目的に必要な範囲を超えず、監査証跡を保存する。
  • 本人の権利:個人情報保護法第10条、第11条に基づき、本人からの照会、閲覧、訂正、削除および処理・利用の停止の請求を受け付ける。
  • 安全管理と事故対応:個人情報の窃取/改ざん/毀損/滅失/漏えいを防止し、事故発生時は速やかに通報し、本人に通知するとともに責任を追及する。従業員の個人情報保護義務は退職後も継続して有効。
  • 継続的改善:年1回の個人情報保護セキュリティ会議を開催し、年1回以上の個人情報保護教育および新入社員への個別指導を実施する。

第三者AIサービスによる顧客データ処理の管理:当社の一部製品は、Microsoft Azure OpenAI、Anthropic Claude、Google Geminiなどのクラウド型大規模言語モデルサービスを通じて顧客データを処理します。国境を越えた移転および再委託(サブプロセッサー)の場面については、以下の管理を徹底しています。(1)クラウドAIサービス事業者とデータ処理契約(DPA)および秘密保持条項を締結し、顧客データを合意された用途にのみ使用し、モデルの再学習には利用しないことを明確に定める。(2)データの保存リージョンを指定できる、または入力データを保持しないエンタープライズ向けAPIサービスを優先的に採用し、データの所在と流れを管理する。(3)外部モデルへ送信する顧客データについては最小化と匿名化を徹底し、顧客(特に金融業)の情報セキュリティ監査要求に応じて、データ処理アーキテクチャおよび越境移転の管理措置を説明する。

情報セキュリティ実績指標2025年度
情報漏えい事故の件数0件
個人情報に関わる情報漏えい事故0件
情報漏えい事故により影響を受けた顧客数0名
情報セキュリティに関する顧客苦情/外部からの破壊・窃取/システム異常による事業影響各0件
4-07

各種団体への参加

(GRI 2-28に対応)

当社はTWCERT情報セキュリティ・アライアンスの会員であり、またMicrosoftの重要パートナー(2024年にMicrosoft Best Partner of the Yearを受賞、2026年にはMicrosoft、Anthropicとの三者間技術協業を締結)として、AIおよび情報セキュリティ産業における技術交流とエコシステム連携に積極的に参加しています。

当社は技術エコシステムと産業連携に積極的に参加しており、NVIDIA Connect Programメンバー、LINE Clova公式認定テクノロジーパートナーであるほか、Microsoft、Google、Anthropic、AWS、Oracleなどのグローバル企業と技術協業関係を構築しています。Gartner Cool VendorやTop AI Startupなどの国際的評価も獲得し、責任あるAIに関する産業交流を継続的に推進しています。

4-08

製品およびサービスの管理

(GRI 416、417に対応。関連する重要課題:製品の品質と安全性、製品イノベーションと研究開発)

当社は、システムの安定性とサービスの可用性を製品品質の中核と位置づけ、厳格な開発プロセスと運用保守サービスによりお客様のシステムの正常な稼働を確保しています。また標準化されたカスタマーサービス・プロセス(顧客からのフィードバック → システム記録 → 案件引継ぎ → 保守対応 → テスト検証 → 本番反映・改善)を確立し、各製品ラインの専用サポート窓口を通じてお客様のご要望に迅速に対応しています。2025年度において、製品・サービスの安全衛生またはマーケティング表示に関する法規違反は発生していません。

責任あるAI(Responsible AI)と製品イノベーション

対話型AIおよび生成AIのイネーブラーとして、当社は「責任あるAI」のガバナンス思想を製品開発に組み込んでいます。2025年には「ナレッジマネジメントに基づく責任ある人工知能の管理手法」の発明特許を取得し、生成AIによるセマンティック検索、デバイス横断・言語横断の質問応答マッチング、スマートなメッセージ返信・配信など、複数の技術特許を継続的に蓄積しています。当社は製品設計においてAI活用の透明性、説明責任およびデータソースのガバナンスを重視し、RAG(検索拡張生成)技術により生成AIのハルシネーションとバイアスのリスクを低減しています。これにより、お客様がより安全で信頼できる形でAIを導入し、意思決定効率を高めるとともに、人的作業や紙媒体業務に伴う運用エネルギー消費を削減できるよう支援しています。

当社は《知的財産権管理規程》を定め、「自社の知的財産権を重視するとともに、他者の知的財産権も尊重する」原則のもと、従業員との間で知的財産の帰属、秘密保持および競業避止に関する取り決めを締結し、外部委託人員には秘密保持同意書への署名を求めています。従業員の秘密保持義務は雇用関係の終了後も失効しません。また違法なコンピュータプログラムの使用を明確に禁止し、正規ソフトウェアと適法なライセンス利用を徹底することで、お客様および当社の知的財産と営業秘密を保護しています。

4-09

サプライチェーン管理

(GRI 204、308、414に対応)

当社のサプライチェーンは、ハードウェア機器サプライヤー、ソフトウェアライセンス提供元および外部委託先が中心です。調達は公平・公正・公開の原則に基づき、協業先に対して関連法規および誠実性に関する規範の遵守を求めています。当社は「サプライヤー管理規程」を定め、誠実な企業経営、環境および社会的責任に関する要求事項を段階的にサプライヤーとの取引条件に組み入れ、グリーンかつ責任あるサプライチェーンの構築を進めています。

当社はサプライヤーを、メーカー・代理店、外部開発委託先、一般サプライヤーの3種類に区分し、調達金額と重要度に応じて重要サプライヤーを選定して優先的に管理しています。サステナブルなサプライチェーンは4段階のプロセスで実践しています。① 誠実性と企業の社会的責任に関する誓約書の署名 → ② 適法性とリスクの評価 → ③ アンケートによる自己評価または監査 → ④ 基準未達の場合の改善指導。サプライヤー管理の重点は、情報セキュリティ、個人情報保護、サービス可用性および知的財産権に置いています。

当社の《サプライヤー管理規程》(2019年制定、取締役会承認)は、人間の尊厳と基本的人権の擁護、企業の社会的責任の履行および環境の持続可能な発展を目標とし、契約に企業の社会的責任方針を組み入れています。サプライヤーが当該方針に違反し、環境または社会に著しい影響を与えた場合には改善計画の提出を求め、改善が不可能な場合または事案が重大な場合には契約を解除することができます。サプライヤーの業務遂行に関する規範は、以下の3つの側面を対象としています。

側面サプライヤーが遵守すべき規範
労働者の人権と倫理労働法規の遵守、最低賃金を下回らない賃金、強制労働および児童労働(16歳未満)の禁止、差別の禁止、職場におけるハラスメントの防止。
労働者の健康と安全安全で衛生的な労働環境の提供、従業員教育および必要な予防措置の実施。
環境保護環境法規の遵守、水およびエネルギーの浪費の削減、汚染物質と廃棄物の排出削減および適正処理。

また当社は、サプライヤーに対しISO 9001、ISO 14001、SA 8000などの品質・環境・社会的責任に関する認証の提示を求めることができ、企業の社会的責任に関する取り組みが優れたパートナーを優先的に位置づけています。

一方で当社は、金融機関や大企業へのAIサービス・サプライヤーとして、お客様によるサステナビリティおよび情報セキュリティ監査への対応や、お客様のESGアンケートへの回答を行い、サプライチェーンにおける自社のサステナビリティ責任を継続的に強化しています。

05
CHAPTER 05

社会

5-01

人材育成

(GRI 2-7、401、404、405に対応。関連する重要課題:人材の獲得と従業員の福利厚生)

人材はソフトウェア産業における最も重要な資産です。2025年12月31日現在、当社の従業員数は135名、平均年齢34歳、平均勤続年数5.34年です。人員構成は技術研究開発およびプロジェクト管理の人材が中心で、全員がフルタイム従業員です。

職能区分2024年度2025年2025/04/30
技術研究開発576062
プロジェクト管理474849
営業・マーケティング201717
管理部門8109
合計132135137

従業員の学歴構成(2025年度):博士1.5%、修士17.9%、大学78.4%、短大以下2.2%。管理職に占める女性の割合は36.84%に達し、副総経理クラスの女性管理職は2名です。当社は職場におけるジェンダー平等の実現に積極的に取り組んでいます。

当社は2025年(民国114年度)に台湾店頭市場へ正式上場し事業を拡大するなかで、対話型AI、生成AIおよびプロジェクト・デリバリーの人材獲得に積極的に取り組みました。GRI 401-1(雇用)および2026年ESG評価指標S-23に基づき、当社は今期より性別および年齢区分別に集計した直近2年度(2024年度および2025年度)の新規採用者数と新規採用率を以下のとおり開示します。

性別区分別の直近2年度の新規採用率は以下のとおりです。

性別2024年 新規採用者数2024年 新規採用率2025年 新規採用者数2025年 新規採用率増減
男性2228.0%3141.3%↑ 13.3
女性1324.3%1427.5%↑ 3.2
合計3526.5%4535.7%↑ 9.2

年齢区分別の直近2年度の新規採用率は以下のとおりです。

年齢区分2024年 新規採用者数2024年 新規採用率2025年 新規採用者数2025年 新規採用率増減
30歳未満2250.0%2157.5%↑ 7.5
30~50歳1315.3%2428.2%↑ 12.9
50歳超00.0%00.0%
注:新規採用率=当年度の新規採用者数 ÷ 年度平均在籍者数。雇用(GRI 401-1)における新規採用と離職の指標の比較可能性を確保するため、分母は離職率と同一の「人事部門が管理する年度平均在籍者数」(2024年132名、2025年126名)を採用し、年齢区分は入社時の実年齢により分類しています。2025年度の新規採用率が2024年度より上昇したのは、主に当社の上場後における組織拡大と人材獲得ニーズを反映したもので、とりわけ30歳未満および30~50歳の技術・プロジェクト人材の増員が顕著でした。当社の従業員はすべて台湾の事業拠点に勤務しており、地域をまたぐ人員はいないため、地域別の内訳は記載していません。

2026年ESG評価指標S-23およびGRI 401-1の開示要求に対応するため、当社は今期より、性別および年齢区分別に集計した直近2年度(2024年度および2025年度)の離職率とその変化傾向・要因を開示し、人的資本情報の透明性を高めています。2025年度の全体離職率は31.7%で、2024年度の34.1%から2.4ポイント低下し、人材の流動は相対的に安定した水準を維持しており、大規模な異動は発生していません。

性別区分別の直近2年度の離職率は以下のとおりです。

性別2024年 離職者数2024年 離職率2025年 離職者数2025年 離職率増減
男性2734.4%2938.7%↑ 4.3
女性1833.6%1121.6%↓ 12.0
合計4534.1%4031.7%↓ 2.4

年齢区分別の直近2年度の離職率は以下のとおりです。

年齢区分2024年 離職者数2024年 離職率2025年 離職者数2025年 離職率増減
30歳未満2250.0%1335.6%↓ 14.4
30~50歳2327.1%2630.6%↑ 3.5
50歳超00.0%122.2%↑ 22.2
注:離職率=当年度の離職者数 ÷ 年度平均在籍者数〔(年初+年末の在籍者数) ÷ 2〕。上記の離職率は人事部門が管理する在籍従業員を統計母集団としており、各年度12月31日現在の従業員総数とは異なる統計基準を用いています。当社の従業員はすべて台湾の事業拠点に勤務しており、地域をまたぐ人員はいないため、地域別の内訳は記載していません。

性別の観点:当社の男性従業員は総人員の6割以上を占めるため、その離職者数の変動が全体の離職率に与える影響は比較的大きく、2025年度の男性離職率は34.4%から38.7%へ上昇しました。一方、女性の離職率は2024年度の33.6%から2025年度は21.6%へ大きく低下しました。これは主に、2024年度の女性離職率が特定部門の人員構成要因により高めであり一定の基準年効果があったところ、当該要因が2025年度には集中せず、女性従業員全体の流動が安定したことによります。

年齢の観点:30歳未満の従業員の離職率は50.0%から35.6%へ低下しました。これは主に当社が導入したハイブリッドワーク制度によるもので、新入社員は入社後3か月間は全日出社して業務習慣の確立とチームへの融合を図り、その後ハイブリッド勤務へ移行する運用が、新入社員の適応性と定着意欲の向上に効果を上げています。30~50歳の従業員は当社の中核人材であり、2年度とも平均在籍者数は約85名を維持し、離職率は27.1%から30.6%へ微増しましたが、離職者数の絶対値の増加は3名にとどまり、通常の年度変動の範囲内における自然な流動です。50歳超の従業員は人数が少なく(年度平均約4~5名)、2025年度は健康上の理由による離職が1名のみで、離職率は個別事例の影響を受けやすく、当該層に構造的な離職リスクがあることを示すものではありません。

当社の報酬は性別、婚姻状況または年齢による差別的取扱いを行っておらず、規定に従い毎年4月末までに「管理職以外のフルタイム従業員の給与情報」を公開情報観測所(MOPS)へ申告・開示しています。当該情報は公認会計士による合意された手続の実施を受けています。2025年度の給与情報は以下のとおりです。

管理職以外のフルタイム従業員の給与情報(2025年度)数値
フルタイム従業員数(年度平均)103名
給与総額新台湾ドル88,738千元
給与の平均値新台湾ドル862千元/人
給与の中央値新台湾ドル738千元/人

給与の中央値は平均値の86%に達しており、当社の報酬分布が比較的均衡していることを示しています。当社の払込資本金は100億元未満であるため、性別別の給与情報は現時点で申告義務の対象ではありません。当社は2025年7月29日に台湾証券店頭市場(TPEx)へ上場し、2026年(民国115年)が管理職以外のフルタイム従業員の給与情報を規定に基づき申告・開示する初年度に当たるため、比較可能な前年度の申告値がありません。次年度以降は前年度の数値およびその増減状況を併記します。

従業員の報酬と福利厚生

  • 報奨:三大節句賞与、従業員賞与(税引前利益の2%以上)、人材紹介報奨金。労働者退職金新制度に基づき毎月6%を拠出し、従業員による0~6%の自己拠出も可能。
  • 福利厚生:誕生日祝い金と誕生日休暇、部門懇親会補助、育児手当(子ども1人あたり年4,000元)、結婚・弔慰見舞金、社員旅行補助、全身健康診断、団体保険、ノートPC補助。
  • 勤続者へのケア:勤続3年以上の従業員に対し、毎年の健康診断手当6,000元および長期休暇手当6,000元を支給。
  • 柔軟性と多様性:ハイブリッドワーク制度、フレックスタイム、有給の病気休暇(年7日、労働基準法を上回る水準)、生理休暇の賃金無減額を実施。従業員福利委員会(バドミントン部、ボードゲーム部)を設置。

結婚・出産に配慮した制度と家族介護支援

当社は結婚・出産および家族の介護に配慮した職場環境づくりに積極的に取り組んでいます。ジェンダー平等労働法に基づく産前産後休暇、妊婦健診休暇、配偶者の健診同行休暇および配偶者出産休暇、育児休業、家族介護休暇の付与に加え、育児手当(子ども1人あたり年4,000元)、生理休暇の賃金無減額、法定を上回る有給病気休暇(年7日)、結婚祝い金を提供し、フレックスタイムおよびハイブリッドワークと組み合わせることで、従業員が仕事と家庭を両立できるよう支援しています。また母性従業員健康保護計画に基づき、妊娠中および授乳期の従業員に対して業務適性評価と健康面のケアを実施しています。2025年度は上記の各制度が適切に運用されました。今後も従業員のニーズを継続的に確認し、家族に優しい職場づくりを推進してまいります。

育児休業(GRI 401-3に対応)

当社はジェンダー平等労働法に基づき育児休業制度を設けており、勤続6か月以上かつ3歳未満の子を養育する従業員が申請できます。直近2年度(2024年度および2025年度)の育児休業の申請・復職状況は以下のとおりです。

育児休業2024年 男性2024年 女性2025年 男性2025年 女性
当年度の申請者数0001
当年度の休業期間満了により復職予定であった人数0101
当年度の実際の復職者数0101
復職率100%100%
定着率(前年度に復職し1年間継続勤務した者)100%
注:復職率=当年度の実際の復職者数 ÷ 当年度の休業期間満了により復職予定であった人数。定着率=前年度に復職し当年度も1年間継続して在籍している人数 ÷ 前年度の復職者数。2024年度は女性1名が復職しました(休業期間2023年4月14日~2024年1月13日、2024年度に期間満了により復職)。当該従業員は2025年度も1年間継続して在籍したため、2025年度の女性の定着率は100%です。2025年度は女性1名が育児休業を申請し(2025年10月20日より休業)、当年度は延べ2名が休業期間満了により予定どおり復職し、復職率は100%でした。当社の男性従業員による育児休業の申請は2024年度、2025年度ともにありません。

従業員の報酬と福利厚生への投資(公認会計士の監査済み)

当社の2025年度連結財務報告によれば、従業員給付費用の総額は162,754千元(2024年度の151,096千元から7.7%増)に達しました。具体的な内訳は以下のとおりであり、当社が人材を実質的に重視していることを示しています。

従業員給付費用の項目2025年度(千元)2024年度(千元)
給与費用139,687127,978
労働保険・健康保険費用11,25611,578
退職給付費用6,1926,258
その他の従業員給付費用5,6195,282
従業員給付費用の総額162,754151,096

退職給付については、当社は労働者退職金条例に基づく確定拠出制度(労働者退職金新制度)を採用し、毎月賃金の6%を労働保険局の個人退職金口座へ拠出しています。2025年度の確定拠出制度に係る退職給付費用は5,896千元です。また旧制度が適用される確定給付制度については、退職準備金専用口座を設けています。2025年度は定款に基づき従業員賞与2,133千元を計上しました。

人材の育成と成長

当社は階層別・分野別の教育研修体系を構築しており、新入社員研修(インサイダー取引防止、職場における違法な侵害の防止を含む)、在職者研修(AI講座、製品技術、プロジェクト管理、情報セキュリティ)および専門スキル研修(外部認証および自己啓発補助)を実施しています。これらを定期的な人事評価およびキャリア開発計画と組み合わせ、従業員の継続的な成長を支援しています。当社はエンジニアリングチームに対し、AIおよび高効率なソフトウェア・アーキテクチャに関する能力の向上を奨励し、技術面から製品競争力とグリーン・コンピューティングの両立を図っています。

人権の尊重

当社は「人権方針」を定め、国連世界人権宣言、国連グローバル・コンパクトおよび国際労働機関(ILO)の関連条約を参照し、児童労働の禁止、強制労働の禁止、雇用差別の撤廃、結社の自由の保障およびジェンダー平等の実現をコミットしています。また労働関連法令に基づき、以下の4つの従業員健康保護計画を推進しています。異常な業務負荷による疾病の予防、人間工学的危害の予防、母性従業員の健康保護、職務遂行中の違法な侵害(職場のいじめおよびセクシュアルハラスメント)の防止。あわせて苦情申立ておよび救済のチャネルを提供しています。

労使コミュニケーション

当社は四半期ごとに労使会議を開催するとともに、直属上長との対話、人事相談窓口、従業員苦情窓口など多様なチャネルを設け、良好な労使関係を維持しています。2025年度に労働基準法第24条第1項(時間外労働の賃金計算)違反により制裁1件(過料 新台湾ドル50,000元)を受けましたが、当社は残業手当の計算方法を速やかに是正して改善を完了し、法令遵守と労働時間管理を徹底しています。

また当社は毎月、部門横断の全社コミュニケーション会議を開催し、全社員が質問できる仕組みを設けています。四半期ごとの労使会議、人事システムおよび社内ポータルと組み合わせ、円滑な双方向コミュニケーション文化を築いています。

5-02

労働安全衛生

(GRI 403に対応。関連する重要課題:職場の健康と安全)

当社はデジタル・クラウド型のオフィス業態であり、生産工程や高リスク作業はありません。安全で快適なオフィス環境を提供し、従業員の健康診断を定期的に実施するとともに、労働時間のモニタリングとハイブリッドワーク制度によりデジタル・クラウド業界特有の過重労働リスクを低減しています。オフィスには消防安全設備を設置し、ビルの定期消防訓練にも参加しています。2025年度の労働安全衛生の実績は以下のとおりです。

労働安全衛生の指標2025年度
労働災害の被災者数0名
労働災害の発生率0 %
火災事故の発生の有無なし(0件)
5-03

社会貢献

(GRI 413に対応)

当社は自社の対話型AIおよび生成AIの技術的な強みを活かして社会に還元し、テクノロジーによる善の実践を推進しています。具体的な方向性は、地域の公益活動への積極的な参加により社会的弱者、社会福祉団体および学校へサービスを提供し社会に還元すること、AI技術により公共部門や非営利団体の公共サービスのデジタル効率とアクセシビリティを高めること、産学連携・学内講座・デジタル人材育成を通じて次世代のAI・情報活用人材を育成しデジタル・インクルージョンを広げること、です。当社は上記の取り組みを継続的に実践し、具体的成果を毎年開示してまいります。なお2025年度には、更新により不要となった情報機器の公益寄贈を実施しました(本節の後述を参照)。

Tech for Good(テクノロジーによる善の実践)

当社は本業であるAI技術をてこに、以下のTech for Goodの方向性を計画・推進し、社会・環境へのプラスのインパクトを国連持続可能な開発目標と対応づけています。

取り組みの方向性具体的な取り組み対応するSDG
サステナビリティのてことしてのAI活用対話型/生成AIにより、お客様の業務自動化、紙媒体と人手の無駄の削減、出張に伴う炭素排出の低減を支援し、間接的に環境価値を創出。SDG 9、12、13
AIによるデジタル公益活動公益団体、学校および公共部門へのAIチャットボットやナレッジQ&Aツールの導入支援を計画し、公共サービスのデジタル・アクセシビリティを向上。SDG 4、10、17
AI人材の育成インターンシップ枠とメンター指導、産学連携および学内講座を計画し、生成AI/RAG/対話型AIの産業応用に関する知見を共有。SDG 4、8
デジタル・インクルージョン自然言語インターフェースによりAI利用のハードルを下げ、非技術者でもAIを活用できるように。SDG 10

情報機器の逆物流リサイクルによる公益寄贈──ASUS文教基金会との協働

当社は「資源循環」を中核理念とし、社内で更新したものの性能に問題のないオフィス用PCを整備し直すことで、廃棄予定の資産に第二の生命を与えています。情報セキュリティを確保したうえでデータを完全消去し、旧型PCの寄贈を通じて電子廃棄物の発生削減に努めています。2025年度(民国114年度)、当社は財団法人ASUS文教基金会の「再生PC 希望プロジェクト」公益寄贈活動(再生PCの寄贈、逆物流リサイクルで地球に優しく)に参加し、更新したオフィス用PCを寄贈しました。寄贈されたPCは同基金会により再生PCとして整備され、デジタル人材育成の公益プロジェクトで活用されデジタル・デバイドの縮小に役立てられており、当社はASUS文教基金会より感謝状を授与されました。

項目内容
公益プロジェクトASUS文教基金会「再生PC 希望プロジェクト」(再生PCの寄贈、逆物流リサイクルで地球に優しく)
寄贈年度2025年度(民国114年度)
寄贈内容更新したオフィス用PC。データ消去と再整備を経て寄贈・再利用
公益活動としての評価財団法人ASUS文教基金会より感謝状を授与(番号 AFC250210020)
対応するSDGsSDG 4 質の高い教育、SDG 10 人や国の不平等をなくそう、SDG 12 つくる責任つかう責任、SDG 13 気候変動対策

一つの寄贈活動が、社会(デジタル・インクルージョンと人材育成)と環境(機器のライフサイクル延長と電子廃棄物の削減)の双方に価値を生み出しています。当社は今後も機器の更新にあたり公益寄贈と再利用の可能性を優先的に検討し、その実施成果を毎年開示してまいります。

06
CHAPTER 06

環境

当社は情報ソフトウェアサービス業に属し、生産工程を持たず、高汚染・高エネルギー消費産業ではありません。物理的な製品の産出はなく、有毒廃棄物も発生しません。事業活動による環境負荷は主にオフィスでの購入電力と少量の社用車燃料に起因します。当社は「グリーン・デジタル運営」を中核に、技術面とオフィス面の両方から脱炭素を実践しています。
6-01

気候変動(TCFDフレームワークを参照、IFRS S2への対応)

(GRI 201-2に対応。関連する重要課題:温室効果ガス管理と排出削減)

当社は2025年11月7日、取締役会の下に指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会を設置し、3名の独立取締役が委員を務める体制のもとで、気候関連課題を取締役会レベルの監督対象としました。当社は気候関連財務情報開示(TCFD)のフレームワークを参照し、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4側面から対応状況を説明します。

TCFDの側面当社の対応
ガバナンス取締役会の下の指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会が気候関連課題を監督。コーポレートガバナンス責任者がESGプロジェクトの責任者を務め、サステナビリティ推進チームが推進を統括。
戦略グリーン・デジタル運営を中核とする削減戦略。当社はデジタル・クラウド産業に属し、極端気象事象による直接的影響は比較的受けにくいものの、電気料金と炭素費用の上昇、データセンター稼働の中断などの潜在リスクに引き続き留意。また対話型AIによりお客様の事業活動のカーボンフットプリント低減を支援することを機会と位置づけ。
リスク管理気候リスクの特定、測定、モニタリングを全社リスク管理制度(8つのリスク側面の一つ)に統合し、統合的なリスク管理体系を構築。
指標と目標2025年(民国114年)を基準年とし、2026年より毎年基準年比1%削減、2030年(民国119年)に10%削減。

気候シナリオとレジリエンスの評価:当社の事業拠点は賃借する商業ビルの高層階オフィスであり、自社工場や生産設備を保有しないため、物理的な気候リスク(浸水など)が事業に与える直接的影響は限定的です。当社はIPCC AR6の気候シナリオおよび台湾水利署の浸水ポテンシャルマップなどの公開情報を参照し、事業拠点の物理的気候リスクを定性的に評価しました。その結果、主たる気候関連の財務的影響は電気料金と炭素費用の上昇に伴う移行リスクによるものと初期的に判断しています。当社は財務的影響の定量評価を未了であり、今後の年度においてシナリオに基づく財務定量分析を段階的に導入してまいります。現時点でインターナルカーボンプライシングは導入しておらず、カーボンオフセットや再生可能エネルギー証書に関する目標も設定していませんが、事業規模に応じて導入を段階的に検討してまいります。

気候関連のリスクと機会(定性評価)

区分リスク/機会の要因当社の対応時間軸
移行リスク電気料金と炭素費用の上昇、顧客のサプライチェーン脱炭素要請脱炭素施策の実践、インベントリの完了による顧客要請への対応中期
物理的リスク台風/浸水によるオフィスまたはデータセンター稼働の中断事業継続計画、クラウドによる冗長化、ハイブリッドワーク中長期
機会低炭素なデジタル製品によるお客様の脱炭素支援、AIイノベーション需要グリーン・デジタル運営と責任あるAI製品の深化短中期
注:時間軸は短期(3年以内)、中期(3~10年)、長期(10年超)と定義しています。

気候ガバナンスの監督と報告の仕組み

指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会は気候関連リスクと機会の監督部門であり、年1回以上、サステナビリティ(気候関連を含む)課題の推進・管理状況を取締役会へ報告します。取締役会は年度事業計画、予算および重要な資本的支出を審議する際に、気候関連リスクと機会の影響もあわせて考慮します。監督機能を強化するため、当社の取締役はTCFD/TNFDや生物多様性など気候・自然関連の講座を継続的に受講しています(詳細は2-04を参照)。またサステナビリティ推進チームは、「短期(3年以内)は年度事業計画、中期(3~10年)は2030年削減目標、長期(10年超)は2050年ネットゼロ経路に対応する」という時間軸の定義に基づき、気候関連課題を当社の戦略策定に結びつけています。

温室効果ガス削減目標の特性

当社の温室効果ガス削減目標は、スコープ1およびスコープ2を対象とする絶対総排出量の目標であり、連結財務報告のバウンダリー内のすべての事業拠点に適用されます。2025年(民国114年)を基準年(28.631トンCO₂e)とし、2026年より毎年基準年比1%削減という年次マイルストーンを設定し、2030年までに累計10%の削減を目指します。本目標は緩和(mitigation)に係るものであり当社が独自に設定したもので、第三者による検証は受けておらず、カーボンクレジット(排出権によるオフセット)の使用による達成も予定していません。目標の進捗はサステナビリティ推進チームが定期的に追跡し毎年見直すとともに、指名・リスク管理およびサステナビリティ委員会の再確認を経て取締役会へ報告します。今後目標を修正する場合には、修正内容と理由を本レポートで説明いたします。

IFRSサステナビリティ開示基準(IFRS S1、S2)への対応計画

金融監督管理委員会の「台湾におけるIFRSサステナビリティ開示基準への対応ロードマップ」によれば、当社の払込資本金は新台湾ドル50億元未満であるため、2028年(民国117年)会計年度よりIFRS S1「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」およびIFRS S2「気候関連開示」を適用する見込みです。当社はIFRS S1・S2開示の自己評価表を参照し、全般的要求事項、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の5分類の判断項目について現行開示とのギャップを項目ごとに検証し、開示内容を年々強化するための基礎としています。今後は監督官庁の定めるスケジュールに従い、導入計画と進捗を報告してまいります。

6-02

温室効果ガス管理

(GRI 305-1~305-5に対応。数値はESG情報開示指標より引用)

当社はGHGプロトコルに準拠し、2025年(民国114年)に連結財務報告をバウンダリーとする温室効果ガス・インベントリを完了し、当該年度を基準年としました。算定結果は以下のとおりです。

排出区分活動/排出源排出量(トンCO₂e)構成比
スコープ1(直接排出)社用車の移動発生源における燃焼(ガソリン 7,264 km)1.71495.99%
スコープ2(エネルギー起源の間接排出)購入電力(新店20階、20階の1、台中オフィス)26.916194.01%
合計28.631100%
指標数値
温室効果ガス排出原単位0.0813 トンCO₂e/売上高100万元(スコープ1+2)
データのバウンダリー連結財務諸表の親会社および子会社
スコープ2の算定方法ロケーション基準(location-based)
保証の状況未保証(2027年より検証の導入を計画)

削減戦略と具体的な取り組み

デジタル・クラウド産業に属する当社の温室効果ガス排出は、スコープ2(電力使用)が中心です。2030年10%削減目標の達成に向けて、「グリーン・デジタル運営」を中核とする削減戦略を策定し、以下の具体的な取り組みを実践しています。

  • オフィスのデジタル化:共有クラウドプラットフォームを活用して社内コミュニケーションと教育研修を実施し、電子承認とペーパーレス化を推進することで、紙の資料印刷や会場のエネルギー消費を削減。
  • 柔軟な勤務形態:ハイブリッドワークの推進によりオフィスの熱負荷を調整し、空調およびインフラの連続稼働に伴う電力負担を軽減。
  • オフィスの省エネ管理:昼休みと退勤時の消灯の徹底、空調温度の適正管理、老朽化した高消費電力機器の更新。
  • グリーン調達:オフィス機器は省エネラベル取得のノートPCおよび設備を優先的に調達し、機器の使用年数を延長。
  • 低炭素技術の志向:在職者研修にAIおよび製品技術の講座を組み込み、エンジニアリングチームによる高効率なソフトウェア・アーキテクチャの開発を促し、技術面からクラウド演算のエネルギー消費を低減。
注:2025年は基準年であるため、削減目標の達成状況はまだありません。当社は毎年ローリング方式で削減成果を評価し、適時に削減目標を引き上げることで、政府の2050年ネットゼロ排出経路に呼応してまいります。

スコープ3(その他の間接排出)に関する今後の計画:当社の中核事業は、クラウド演算を通じてMicrosoft Azure、AWS、Google Cloudなど外部のAIモデルサービスを大量に利用しており、これらのクラウドサービスに対応する電力使用は、当社にとって潜在的に重要なスコープ3(その他の間接)排出源です。ただし現段階では算定可能な実際の電力使用データがありません。当社は次期のレポートにおいて、クラウド演算に関連するスコープ3排出について算定手法の予備評価とデータ収集に着手し、温室効果ガス算定バウンダリーを段階的に拡大することで、お客様(特に金融業)のサプライチェーン脱炭素要請およびIFRS S2への対応要求に応えてまいります。

6-03

エネルギー管理

(GRI 302に対応)

当社のエネルギー使用は購入電力が中心です(購入電力比率100%)。エネルギーマネジメントシステムの認証は未取得であり、自家発電・自家消費の再生可能エネルギーもありません。当社はオフィスのデジタル化、柔軟な勤務形態およびオフィスの省エネ施策によりエネルギー使用効率を高めるとともに、資源の分別回収に努めています。再生可能エネルギーの利用可能性については、事業規模に応じて検討してまいります。

また当社は「Green AI(グリーンAI)」を技術開発の方向性として掲げ、モデル推論効率とソフトウェア・アーキテクチャの最適化によりAI演算のエネルギー消費を低減し、製品技術の面から省エネ・脱炭素を実践しています。

当社のエネルギー管理計画は「算定→目標→行動→レビュー」のサイクルで運用しています。年次の温室効果ガス算定によりオフィスの電力使用のベースラインを把握し、2030年に基準年比10%削減という目標に対応させ、オフィスのデジタル化、ハイブリッドワーク、オフィスの省エネ管理およびグリーン調達などの行動計画により実践し、毎年その実施成果をレビューして施策をローリングで調整します。2025年度は当社にとって初めての本格的な算定年度であり、次の報告期間より直近2年度のエネルギー使用状況を併記して開示し、トレンド比較に資するようにいたします。

6-04

水資源管理

(GRI 303に対応)

当社はデジタル・クラウド産業に属し、オフィスビルの共用水のみを使用しており、生産工程用水も工程排水もありません。水の使用はビル管理委員会が一括管理しているため、使用水量を単独では集計していません。当社は気候変動と水資源管理の課題を事業運営と結びつけ、オフィスにおける節水を徹底し、環境配慮・省エネ・節水の目標達成に努めています。

6-05

廃棄物管理

(GRI 306に対応)

当社が排出するのはオフィスの一般廃棄物のみで、有害廃棄物はありません(有害廃棄物比率0%)。廃棄物はビル管理委員会が定める管理措置に従って分別処理し、紙類や容器などの資源分別回収を徹底しています。更新した電子機器は循環再利用するか、有資格業者に委託して処理しています。当社は今後も省エネ・脱炭素、温室効果ガス削減および廃棄物削減に関する方針の策定を継続してまいります。

また当社は従業員が参加する環境配慮の取り組みを推進しています。古着回収活動を随時実施し、使わなくなった衣類の寄贈を従業員に呼びかけて資源の循環再利用を実践しているほか、2025年度からは昼休み(12:00~13:00)にオフィスを1時間消灯する省エネ施策を新たに導入し、従業員が十分に休憩をとりながら省エネ・脱炭素を実現し、全社的なサステナビリティ意識の醸成につなげています。

電子廃棄物については、当社は「資源循環」の中核理念のもと、更新したものの性能に問題のないオフィス用PCについて、情報セキュリティを確保したデータ消去を行ったうえで再整備し、廃棄予定の資産に第二の生命を与えています。2025年度はASUS文教基金会の「再生PC 希望プロジェクト」を通じて、更新したオフィス用PCを寄贈し再生・再利用しました(詳細は5-03 社会貢献を参照)。これにより情報機器のライフサイクルを延長し、電子廃棄物の発生を削減することで、資源循環と廃棄物削減の方針を実践しています。

07
CHAPTER 07

付録

7-01

付録一、GRI内容索引表

使用の声明:Intumitは、2025年1月1日から2025年12月31日までの期間に関する情報について、GRIスタンダードを参照して報告しています。使用したGRI 1:GRI 1 基礎 2021。適用されるGRI業種別スタンダード:なし(情報ソフトウェアサービス業については、GRIが対応する業種別スタンダードを未発行)。

GRIスタンダード/開示事項対応する章
GRI 2-1 組織の詳細1-02 会社概要
GRI 2-2/2-3 報告対象組織、報告期間および頻度1-03 レポートの基本情報
GRI 2-4/2-5 情報の修正再表示と外部保証1-03-4/5
GRI 2-6 活動およびバリューチェーン1-02/4-09
GRI 2-7 従業員5-01 人材育成
GRI 2-9 ガバナンス構造と構成2-03 取締役会および機能別委員会
GRI 2-17/2-18 取締役の研修と実効性評価2-04
GRI 2-22 持続可能な発展戦略に関する声明1-01 経営者メッセージ/2-01
GRI 2-23 方針コミットメント(誠実性)4-03 誠実な企業経営
GRI 2-25/2-26 苦情処理と対話の仕組み4-04
GRI 2-28 団体への加盟4-07
GRI 2-29 ステークホルダー・エンゲージメント3-01
GRI 3-1/3-2/3-3 マテリアリティのプロセス、一覧および管理第三章
GRI 201 経済的パフォーマンス4-01
GRI 205/206 腐敗防止、反競争的行為4-03
GRI 207 税務4-02
GRI 302 エネルギー6-03
GRI 303 水と排水6-04
GRI 305 大気への排出6-02
GRI 306 廃棄物6-05
GRI 401-1/401-2/401-3、404、405 雇用、研修、多様性5-01
GRI 403 労働安全衛生5-02
GRI 413 地域コミュニティ5-03
GRI 416/417 顧客の安全衛生、マーケティングと表示4-08
GRI 418 顧客プライバシー4-06
7-02

付録二、気候関連情報(TCFD)

当社の気候関連財務情報開示(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)の詳細は、第六章 6-01 気候変動および 6-02 温室効果ガス管理をご参照ください。当社は2025年(民国114年)を温室効果ガス算定の基準年とし、スコープ1排出量は1.7149トンCO₂e、スコープ2排出量は26.9161トンCO₂e、合計28.631トンCO₂e、排出原単位は0.0813トンCO₂e/売上高100万元です。削減目標は2030年に基準年比10%削減としています。また当社はSASB(Software & IT Services)スタンダードも参照し、サステナビリティ情報開示の質の向上に継続的に取り組んでいます。

さらに当社は、IFRS S2の4つの側面と先行的に対照し、本レポートにおける開示の現状と今後の強化の方向性を以下のとおり確認しました。

機能本レポートの対応する章現状と今後の強化の方向性
ガバナンス2-02、6-01委員会の構成、職責および年1回以上の取締役会報告の頻度を開示済み。今後は取締役会がサステナビリティ課題を監督する具体的プロセスと権限の記述を強化。
戦略3-04、6-01気候関連リスクと機会、短中長期の定義およびシナリオ評価の方法を開示済み。今後はシナリオ分析の詳細と財務影響の定量情報を段階的に導入。
リスク管理4-05、6-01気候リスクを全社リスク管理の8つの側面に組み入れ済み。今後は特定、評価、優先順位づけのプロセスおよび全社リスク管理との統合方法に関する開示を強化。
指標と目標6-02、7-02スコープ1・2の排出量(スコープ2はロケーション基準)、排出原単位ならびに絶対量の削減目標とマイルストーンを開示済み。今後はスコープ3の算定および外部検証を検討。
7-03

付録三、保証声明

今期の温室効果ガス・インベントリおよび本サステナビリティレポートについては、第三者による外部保証を未取得です。当社は2027年(民国116年)より親会社の温室効果ガス・インベントリ、2028年(民国117年)より子会社のインベントリについて外部検証を段階的に導入する計画であり、事業規模と法令要求に応じてレポートの外部保証取得も段階的に検討し、サステナビリティ情報開示の信頼性を継続的に高めてまいります。

— 本レポートはIntumit Inc.の2025年度サステナビリティレポートです —